手作りにこだわった喫茶店です
八王子の石川町という駅から少し離れたこの辺りは、畑をやっている方が多いです。
東京で唯一の道の駅「八王子滝山」もアスルから車で5分ほど。
新鮮な野菜には恵まれています。
この時期は、本家からいただける、かりんや柚子でお菓子の材料を作ったりしています。
喫茶店をオープンした当初は、自分の趣味で得意でもある料理やお菓子で喜んでもらおうと考えていました。
オープンして、無我夢中で一年が経ったころ、台湾素食に出会いました。
台湾素食とは、日本の精進料理の元祖です。
台湾のベジタリアン料理と言われています。
疲れていた自分の体に、素材を活かしじっくり時間をかけて作られた料理が染みわたって元気が戻ってくるのを感じました。
料理を作って、その先にいるお客さまの体のことも考えていくことが、提供する人間の務めだと考えを改めた瞬間でした。
八王子で喫茶店を始めて5年目になります。
その前は私は母の介護を16年やりました。
ありがたいことに、母の介護に専念させてもらっていましたので、麻痺の残る口や喉に負担のかからないものを、とか、
右片麻痺なのでどうしても運動不足になる体の巡りをよくする食べ物を、とか、
自分なりに調べてやってみていました。そして、それが自分では楽しかったのです。
いろいろなことがつながり、今のご提供している料理やケーキに活きていると思います。
食べるものから私たちは栄養をいただいています。
食べたもので体は作られているのです。
東洋医学では、「未病」という概念があります。
病が体を侵食する前に治す。
その一端を「食」が担っています。
季節違いのものを食べると体がびっくりします。
人工的に無理して作られたものを食べると体は栄養と思わず元気をなくすし拒絶反応を起こします。
でも世の中には、それらは当たり前のようにあって、買ったものには必ず入っていたりして、避けては通れません。
だから出来る限り、買わずに作ろうというお店の方向になりました。
「ありきたりのものなのに、美味しいわねえ!」とおっしゃったお客様がいました。
そうです、自家製だからです、とにっこり笑って答えました。
体は、いえ心も正直です。時間をかけて心を込めて作ったものは必ず喜んでもらえます。
八王子の片田舎の喫茶店です。スローライフという言葉が当てはまるのかはわかりませんが、
一度味わいに来ませんか?